穴澤天神社|東京都稲城市矢野口

「かぐら」の語源は、「神座」(かむくら・かみくら)が転じたものとする説が一般的です。神座とは「神の宿るところ」「招魂・鎮魂を行う場所」を意味し、神座に神々を降ろし、巫・巫女が集まった人々の穢れを祓ったり、神懸かりとなって神の意志を伝えたり、また人の側からは願望が伝えられるなど、神人一体の宴を催す場であり、そこでの歌舞が神楽と呼ばれるようになったと考えられています。
笛、大拍子、長胴太鼓を3名の基本とする囃子に、仮面をつけ、時に素面で古事記、日本書紀の神話を演じる無言劇の形態をとる神楽の総称です。
東京都を中心に、埼玉県南部、神奈川県東部、千葉県西部などに広く伝承されており、主に神社の祭礼で上演されます。
1994年12月13日に、東京都台東区蔵前の若山社中、品川区東大井の間宮社中、荒川区西日暮里の松本社中、稲城市矢野口の山本社中の4つの団体が代表して重要無形民俗文化財に指定されました。
江戸の里神楽は、近世の江戸という大都会において、強い演劇性を盛り込み、各時代に即応した工夫を重ね、神楽を専門とする人々によって祭礼の神賑として演じられ、広く一般の支持を得てきたもので、芸能の変遷の過程と地域的特色を示す無形民俗文化財として特に重要なものです。
穴澤天神社では、毎年8月25日の祭礼に獅子舞と代々神主として仕えてきた山本家に受け継がれてきたもので19代山本頼信社中によって舞われる江戸里神楽が奉納されます。
大祭期間中の初日、宮司以下職員は早朝、横須賀市に鎮座します走水神社に参向して、先に直会を済せます。続いて、同神社宮司の先導により、舟に乗り海上に出て、禊祓式の中で潮水を以って身を清め、所役潮水を汲み取って来て、走水神社の社殿に於て、火ひ鑚きり臼うすと火ひ鑚きり杵きねで浄火を熾し、潮水とを揃えてご神前に供え、両神社宮司奉仕のもと大祭諸事の奉告祭を斎行いたします。上終了後、直ちに浄火と潮水を携えて穴澤天神社潔斎所に帰ります。此の日より、大祭最終日神事終了するまで、潮水で身を清め浄火を絶やさず、竈で煮炊きした物を口にして、神職は潔斎に籠ります。
別名雹ひょう祭まつりは、農作物に害を与えない事を祈願するお祭で、祭典中神前において素面で神職並びに神み子こ (女性)姿で舞う太々神楽を奉奏します。